流動化処理工法とは、人力作業が難しく、危険を伴う地下構造物周辺の埋め戻し作業の代わりに、土と水と固化材からなる流動化処理土を流し込み、固化を待って密実な充填をすることで、安全性や施工性等を改善する工法として発案されました。
また、この工法は、従来捨土として扱われていた高含水比の粘性土も主材として使うことができるので、発生土のリサイクルにも役立ちます。
有害な汚染土壌を除き、すべての土を原材料として利用可能
流動化処理土を活用することにより、流し込み打設で埋め戻し工事を完了できるので、従来の人力・機械を使用して埋め戻す必要はなくなります。さらに人員の削減・騒音の低減にも効果を期待できます。
今後、省スペース・工事の簡略化が増々進む中、流動化処理土はその時代の流れに対応できる資材です。
流動化処理土 打設前
流動化処理土 打設中
流動化処理土 打設後
流動化処理土の特徴
- 流動性・強度を任意に設定する事が可能(一軸圧縮強度qu28=200~3500KN/㎡)
- 再掘削が可能(再掘削可能強度qu=800kN/m2以下)
- 透水性が低く粘着力が高いことから地下水の浸食を受けない(10-7cm/s)
- 粘着力が高い為、地震時に液状化しない
- 打設後の体積収縮や圧縮が小さい
- 複雑な形状箇所・狭小空間への充填が可能
- 固化材が均等に撹拌されている為狭小な場所でも安定した強度を確保できる
流動化処理土適用例
- 擁壁、共同溝、地下鉄、建築基礎等の狭い空間の埋戻し
- 廃坑等、不要になった地下空洞の埋戻し、充填
- 各種ライフライン等の埋設物の埋戻し
- 水中盛土工
- 埋戻し部の地震時液状化防止、並びに地下浸透水流による土砂の浸食防止への対応
- 締固め施工が不可能な条件下における土構造物の計画に適応した構築手法
流動化処理土製造時・打設時の品質管理
【フロー試験】
流動性の試験
(JHS A 313-1992)
流動性の試験
(JHS A 313-1992)
【密度試験】
単位体積量の試験
単位体積量の試験
【ブリージング試験】
材料分離抵抗性の試験
(JSC E-1992)
材料分離抵抗性の試験
(JSC E-1992)
【一軸圧縮強度試験】
固化後の力学試験
(JIS A 1216-1998)
固化後の力学試験
(JIS A 1216-1998)